素直の方が好きですか?
素直―智葉
久しぶりに、この町に来た。
愛しいあの人に会いに。
予想はしていたけど、嬉しかった。
だってこんな風にプロポーズされるなんて……。
想のお母さんはちょっぴり怖かったけど、その分お父さんが物わかり良さそうで安心。
これからお義母さんとお義父さんになるんだね。
翔ちゃんも嬉しそうだったし、おと……。
震える手でインターホンをならした。
高まる気持ちを押さえ、あたしは待った。
『はい』
「朝倉です」
やだ、声が震える。
ださい。
『え、ちょ……待ってて!すぐ行く!』
何かすごい物音したんだけど大丈夫かな……あの子。
「智葉!?」
勢いよく開いた玄関の扉とほぼ同時におとが飛び出してきた。
「おと!」
ずっとあいたかったあたしのかけがえのない存在。
大好きな親友。