素直の方が好きですか?
家に入るなり想はあたしを抱き寄せた。
「ちょっと想!」
「ずっとこうしたかった」
仕方ないな、あたしもずっとこうしたかったもん。
「あた、しも」
今のあたしはきっと真っ赤。
想はあたしを見て相変わらずと笑うだろう。
顔を隠すようにして想の胸に埋めると、ぎゅっと背中に手を回し抱き締め返した。
恋しかったこの温もり。
ようやく触れることが出来た。
大好き。
それだけ。
「大好きだよ、智葉」
離れていた期間があたしたちを強くする。
素直にしてくれる。
「あたしの方が多分ずっと好きだもん」
たまにはこういう台詞も悪くないかな、なんて。
「……そういうの反則だろ」
今度は唇にキスをした。
……もう離れない。
離さない。
あたしのたった一人の大好きな人。
未来の旦那さん。
これからもよろしくね、大好きだよ。
END