素直の方が好きですか?


なんでこうも上手くいかないんだろう?

お昼ごはんが喉を通らない。

「想ってさ…モテるよね…?」

今まで感じなかった不安が一気に溢れ出す。
誰かに…誰かに想の横を盗られてしまうのも…時間の問題かもしれない。

「えっ…うん、まぁ…で、でもほらっ藤栄君は智葉にベタぼれだし!!」

「うん。ありがとう」

「えっ智葉…」

自信がない。
改めて実感する。

想はモテる。
女の子に不自由がない。

あたしは……本当に彼女でいいの?

「智葉っ…」

嫌だ!
嫌だ嫌だ!!

「おと……っ…」

「やだ!智葉…!泣かないでぇ!!」

「あたしはっ…誰も…困らせ、たく…ない…の、に」

「智葉―…」

「ワガママなんて…言え、ない…」

“一緒にいたい”
その一言が迷惑になるのなら…
あたしはそんなワガママ言わないし、
距離だっておく。

我慢するのはいつもあたしだから…
慣れたよ…。

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