素直の方が好きですか?
あたしは風呂から上がると
翔ちゃんの部屋へ向かった。
翔ちゃんの部屋は昔からよく物が入れ替わる。
小さい頃はおもちゃやぬいぐるみが
だんだん経ってくるとゲームや漫画。
最近は何があるのかはもうわからない。
「翔ちゃん…?」
恐る恐るドアを開ける。
久しぶりの翔ちゃんの部屋は
本がたくさん置いてあって……
もう大人なんだなと、
先生になったんだなと、
改めて実感させられた。
「智葉、おいで」
翔ちゃんが手招きする
あたしは部屋に入ってベッドに寄りかかる形で床に座った。
翔ちゃんはミニテーブルを引っ張り出してその上にコーヒーを置いた。
「智葉はコーヒー飲めたっけ?」
「当たり前」
こう見えてもコーヒー(特にブラック)は大好きなんだからね!
「で、」
翔ちゃんの切り出したその一文字に一気に緊張してしまった。