* 恋する猫 *
桜散ル季節
桜が蕾を付ける季節に
貴方に出会いました

突然で
衝撃的で
寂しさを埋めるように
貴方に出会いました

桜が咲く季節に
貴方と結ばれました

拙くて
言葉にならなくて
愛しさを求めるように
貴方と結ばれました

桜が散る季節に
貴方と別れました

出会いと同じように
突然で
涙さえ流せない侭
貴方と別れました

桜の季節の間だけが
二人の時間でした
それでも
私達は桜を見る余裕も無い位
自分だけで
両手が塞がっていました

寂しさを埋めるだけの
私達には
幸せなど訪れません

桜の樹に葉が茂る季節に
貴方を忘れます

一時の幻想だけなら
儚く桜と散るなら
寂しさを胸に生きるから
貴方を忘れます

一度も一緒には
見れなかった
あの桜吹雪の影で
飲み込んだ言葉の重さ
掻き消した涙の冷たさ
もう思い出せません

桜と共に
さようなら
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