それでも好きだった
「華夜~?」
部屋のドアから聞こえるお母さんの声。
「何?」
私はベッドから起き上がり、ドアを開ける。
お母さんの手には紙袋が…。
なんとなく予想が出来る。
でも今はそんな気分じゃない。
正直やる事はないが、そっとしておいて欲しかった。
「あんた今、暇してるでしょ?」
“してるでしょ”って決め付けられてるし…。
確かに暇だけど…嫌な予感がするんですけど…。
「暇ならおばあちゃんにこれ渡してきて欲しいだけど」
お母さんはそう言って持っていた紙袋を私に渡してきた。
「…別にいいけど、時間帯微妙すぎ」
そう、今は午後四時。
かなり微妙な時間なのだ。
「いいじゃない!どうせ近いんだし」
よろしくねーと言って戻って行った。