それでも好きだった
おばあちゃん家に着き、インターホンを鳴らす。
中からおばあちゃんの声が聞こえる。
ドアを開け、おばあちゃんを呼ぶ。
「あら、華夜!わざわざごめんね。さっ、中に入って」
お母さんがおばあちゃんに連絡してあったみたいで、私がここに来た理由を知っているらしい。
私は持っていた紙袋を渡し、ソファーに座った。
テーブルにあったお菓子を食べていたら、おばあちゃんが紅茶を淹れてくれた。
「ありがとう」
「いいのよ。華夜…最近、何かあったのかい?」
突然、おばあちゃんは私の目を真っ直ぐ見つめながら言い出した。
私の異変に気づいていたのか、少々驚いた。
「…どうして?」
「たまに来てくれるけど、その度に華夜の表情が違うからね」
やっぱりおばあちゃんは気付いていたんだ。
私の少しの変化に…。
「なんかね…最近いろいろありすぎて頭がいっぱいなんだ」
キャパオーバーにでもなりそうな感じ。
すべてをおばあちゃんに言う事は出来ない。
でも、少しでいいから聞いて欲しかった。