それでも好きだった
帰りの電車の中で考える事は全部、彼の事ばかり。
この短時間で私は彼に恋をしてしまったらしい。
たぶん…きっとそうだ。
今までにないこの気持ち。
ドキドキなる鼓動。
彼の顔が頭から消えない。
きっとこれが好きだということなんだと思う。
そんな自分が嫌いじゃなかった。
家に帰ったらお母さんに、
「おばあちゃん家でいい事あったの?」
…ってね。
それだけ顔にも出ていたって事なんだ。
自分でも恥ずかしい。
そんなつもりはなかったのに…。
中3の冬、私に春が来た瞬間だった。