それでも好きだった
蓋をした気持ち
―――ジリリリッ
手で目覚まし時計を探し、叩くように音を止める。
ベッドから起き上がる。
どうも目覚めが悪い。
体はもちろんのこと、目までもが重い。
鉛のような体を起こし、階段を下りる。
リビングにあるソファーに座る。
どうも家の中が静かだ。
ふと机の上を見ると、紙が一枚置いてあった。
その紙には『今日は出勤が早いので戸締りよろしく!』と書いてあった。
弟は朝練でいないし、お父さんはいつものこと。
今家にいるのは私だけ。
正直、助かった。
きっと今の私は酷い顔をしている。
変な心配をされたくなかったから、丁度よかった。