それでも好きだった
どうして聡君はこんな私を好きでいてくれるんだろう。
私はきっと聡君を傷つける。
なのに聡君はいつも優しい。
そんな聡君に甘えてしまう。
聡君は抱きしめていた腕を緩め、私と視線を合わせた。
「翔を忘れる理由にしていい。翔を好きなままでもいい。…俺と付き合ってみない?」
聡君の目は力強かった。
だから目を逸らすことができなかった。
もし私が聡君と付き合ったら、絶対に辛い想いをさせる。
「…そんなことできない」
そんなの自分勝手だ。
そんな理由で付き合うだなんてできない。
「俺はいいよ。徐々に俺を見てくれればいい。俺も華夜ちゃんが振り向いてくれるように頑張るから」
なんで…?どうして…?
ここまでしてくれるの?
私のどこがいいの?