それでも好きだった
自分が傷つくなんて分かってるはずなのに、あえてその選択をする聡君。
私はどうすればいい?
「…急だから決められないかもしれないけど、それだけ俺は本気だよ」
聡君は私の横を通り過ぎていく。
私は振り向くことさえ出来ないでいた。
聡君が屋上を出た音がした。
私はその場にしゃがみ込む。
聡君が本気だって事は痛いほどよく分かる。
でも本当にいいの?
聡君の付き合ったら諦めがつくの?
前も同じような事を考えたことがあった。
岡田君への想いはそんなもんじゃない。
でも、このままじゃ私がだめになる。
どれが正しい選択だなんて分からない。
…神様。
私はどうすればいいですか?
私は大きな空を見上げそう思った。