それでも好きだった
結局、その後は授業に出ることが出来ず屋上でサボっていた。
頭に浮かぶのは岡田君と聡君の顔。
ずっと考えていたら、ドアの開く音が聞こえた。
「やっぱりここにいた!」
振り向かなくても声で分かる。
紛れもなくこの声は紗月だった。
「心配したんだよ!どうしたの?」
紗月は私の隣に来て座った。
「ねぇ…紗月」
「なぁに?」
震えながら私は紗月に言った。
「もし紗月に好きな人がいて、でもその人は違う人を好きで、その人を諦めるために自分の事を好きだと言ってくれる人と付き合うこと出来る?」
私の質問に少々驚いている紗月。
紗月が驚くのも無理はない。
私が今までで、そんな相談をしたことがないからだ。
それに私の声は震えていた。
彼女はそのことにも気付いているだろう。