それでも好きだった
―――帰り道。
いつものように四人で帰る。
そしていつものように紗月と岡田君と別れる。
そして今、私は聡君と二人っきり。
お互い何も話さない。
でも、私は話すことがある。
少し前を歩く聡君の服を掴む。
「!…何?」
「…少しいい?」
私と聡君は近くの公園に着いた。
公園のブランコに座る。
遠くのほうが少しオレンジ色になってきた。
私は意を決して聡君の方に向いた。
「…答えが出た」
聡君は目を見開いた。
驚くのは分かる。
今日の今で答えを出したのだから…。