それでも好きだった
歩いていると前方にいつもの二人の姿が見えた。
「翔~!」
いつものように岡田君に抱きつく紗月。
……私の気のせいだろうか。
少し、岡田君と聡君がいつもと違うように見えるのは…。
なんか…怒ってる?
でも紗月が岡田君に飛びついたときは、いつもの感じに戻っていた。
ただの気のせいなのか。
あまり深く考えず、私も彼らのところに行く。
「おはよう!」
元気よく挨拶をしてくれたのは聡君だった。
私たち、付き合ってるんだよね。
昨日の事もあり、少し恥ずかしい気もする。
「…おはよ」
私はいつも通りに返事をする。
隣にいる岡田君を見る。
「…よっ」
手を小さく上げ挨拶をしてくれた。
でも、やっぱりと言うか、私たちの間には少し、異様な空気が漂っていた。