それでも好きだった
「あっ、翔聞いた?華夜が北山君と付き合うことになったの!」
丁度、私が考えている時に紗月が岡田君に言う。
岡田君は素っ気ない態度で
「あぁ…」
と言っていた。
やっぱり聡君から聞いたんだ。
それに聞かなくても雰囲気で分かると思うし…。
「それでね。夏休みも近いし、休みに入ったらみんなで海に行こうよ!」
岡田君の腕に自分の腕を絡ませてお願いをする紗月。
その姿に胸が痛む。
どうしても痛む胸は、どうすることもできない。
聡君にはバレないように隠す。
そんな中、隣にいる聡君は
「いいね!」
と紗月の意見に賛成していた。
岡田君は少しため息をついていた。
そして私は…。
「…いやだ」
反対の意見を出した。