それでも好きだった
岡田君はいきなり話しかけたからかなり驚いていた。
「何…が?」
質問に質問で返してきた。
何が?と聞かれたらどう答えていいか分からない。
彼の表情が気になったから話しかけただけ。
「なんか…表情が気になって」
私はそのまま彼に言った。
そう言うと彼は焦っていた。
何を考えていたかは知らない。
そんなに驚いたり焦ったりするようなことを考えていたのだろうか。
「…別に何でもねぇ」
彼はそう言ってそっぽを向いた。
口に手の甲を当てていた彼。
少し気になったが、深く問い詰めなかった。