それでも好きだった
海と私たち
「海だ~!」
バスに揺られて2時間。
今日はこの前約束していた海に遊びに来ていた。
前日に紗月と水着を買いに行った。
…が、正直ノリ気でない私は水着なんてどうでもよくて、遊びに行くときはパーカーとショーパンで過ごすつもりだった。
でもそんなことを紗月が許すわけもなく、私の水着を勝手に選んで、勝手に買った。
「―じゃあ着替えてこようか」
「また後でね!」
聡君の一言で男女で別れ、着替えに行くことになった。
そして更衣室に着き、さっそく紗月が着替え始める。
私は、紗月が選んだ水着と睨めっこ。
「…ねぇ紗月」
「どうしたの?」
着々と着替える紗月は耳を傾け聞いていた。