それでも好きだった
「泳がないの?」
「…水着姿は嫌だから」
「あはは!そういえばそんなこと言ってね」
この前、私が言っていた事を思い出してクスクス笑っている。
「笑いすぎ」
「ごめんごめん!」
そう言って頭を撫でてくる。
やっぱりその行動にはまだ慣れていなくて少し照れてしまう。
「せっかく、海に来たんだし泳ごうよ」
ね?と言われ、確かにと思う。
でも…水着が…。
「華夜!泳ぐよ」
浮き輪を持った紗月と、もう一つの浮き輪を膨らませている岡田君。
「ほら、脱いで!」
そう言ってまた脱がそうとする。
「わ、わかったから!」
紗月の腕を掴んで言った。
しょうがないなあとため息をつきながら渋々パーカーを脱ぐ。
パーカー着てきた意味なくなるじゃんか。
私はまた渋々、パーカーを脱いだ。