それでも好きだった











「今日はどうしてここに?」


そう聞かれたから、私は紗月を探した。


でも、さっきまで遊んでいた場所に紗月はいなかった。


紗月だけじゃなく、彼らもいなかった。




「…紗月と」

「あー、中学んときずっと一緒だった子か」


なんとなく覚えている様子。


紗月は可愛いから覚えているだろうけど…あ。



「中島君」

「ん?」

「あの時は…なんかごめん?」



何故か疑問系でしゃべってしまった。


なんか今さらごめんってどうかと思ったら疑問形で言ってしまった。





「あの時って…告白のことだよな」


私は頷く。



「もしかして、あの時本当に分かってなかった?」


再び確認され、恥ずかしながら頷くしかできなかった。




「やっぱりそうか。なんか木下らしいよな」


中島君はそう言って笑った。


私らしいってなんだろう。


…ってか怒らないのかな。


















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