それでも好きだった
中学校の時に出会った人が岡田君だったこと。
高校に入って紗月の彼氏だと知ったこと。
駅のホームで会ったこと。
聡君に告白されたこと。
聡君が私の想いを知っていたこと。
それでも好きだと言ってくれたこと。
岡田君を忘れるために聡君と付き合ったこと。
それでも忘れられないでいること。
すべてを紗月に話した。
今まで隠していたこと、黙っていたことを話した。
紗月は何も言わず黙って聞いてくれた。
彼女は優しい。
全てを話し終えた後、私は頬を濡らしていた。
話している最中に泣いてしまったらしい。
自分でも驚いている。
泣くことなんてないのに…。
どうして泣いてしまったのだろうか。
自分でも分からなかった。