それでも好きだった
「ごめん待った?」
「大丈夫だよ」
今日はいよいよその日。
今日で変わるんだ。
聡君を見ると胸が痛くなった。
それだけ自分は最低なんだ。
「行こうか」
そう言って聡君は私の手を掴んで歩きだした。
その手からは暖かさを感じる。
そのぬくもりを感じながら映画館に入っていく。
今日、見に来た映画は私も見たかった作品だったから楽しめた。
すごく面白かった。
隣で聡君が笑っていた。
それがなんだか嬉しかった。
映画が終わり、楽しかったねって微笑みながら聡君は言った。
私も笑顔でうん!と答えた。