それでも好きだった
「嘘…」
何度も読み返す。
何回読んでも“合格”と書かれてある手紙。
一気に緊張が解けた。
私…合格したんだ、受かったんだ。
すごく嬉しかった。
言葉にならない喜び。
嬉しさが込み上げる。
プルルルー
家中に電話の音が響き渡る。
「はい?」
「華夜―!受かったよー!!」
声を聞いただけで分かる。
紗月だ。
すごく声が大きくて耳が痛かったが、それは黙っておいた。
「私も受かったよ」
「本当に!?やったね!これで一緒だね!」
「うん!」
何が嬉しいって紗月と同じところに受かったこと。
私の熱意が伝わったのか、お互い無事合格。
電話を切り、家族にも報告。
泣きながら喜んでくれたのはお母さんだった。
よくやったな!と言ったのはお父さんと弟。
なんだかんだみんな心配してくれていたらしい。
わたしは照れながら、ありがとう!と言った。