それでも好きだった
「華夜もちょっとぶりだね」
「そうだね。やっとこれた」
おばあちゃん家に来たのは、夏休み前のあの日以来。
聡君と付き合いだしたときに報告に来た以来だった。
それもあってか正直、顔を合わせづらかった。
あんなに応援してもらったのに、背中を押してもらったのに、今じゃもう…。
「…そうだ、颯太。アイスいるかい?」
「いる!食う!」
「だったらお金渡すから好きなの買っておいで」
「サンキュー、ばあちゃん!」
弟はおばあちゃんからお金を貰い、上機嫌で家を出て行った。
私はいつものソファーに座り、机の上に置いてあるせんべいを食べた。
「華夜…何かあったのかい?華夜はおばあちゃんの家に来るたびに、表情が違うね」