それでも好きだった
好きという想い
久しぶりにおばあちゃんのご飯を食べ、弟が買ってきたアイスを食べていた。
外はもう真っ暗。
いつの間にか夜。
夏休みもそろそろ終わる。
それでも蝉は鳴くのを止めない。
まだまだ元気に鳴いている。
「華夜」
ベランダで夜空を見上げながらアイスを食べていると、おばあちゃんが私を呼んだ。
「何?」
「悪いんだけどね、この回覧板をお隣に渡して来てくれないかい?」
「わかった」
私はおばあちゃんから回覧板を受け取り、部屋着のままサンダルを履いて、お隣に行った。
お隣の人は小さい頃から知ってる。
おばあちゃんと同い年ぐらいの人で、よく遊んでもらったのを覚えている。
チャイムを鳴らすと、すぐに出てきて、嬉しそうに笑っていた。
「懐かしいね」
おばあちゃんの家にはよく行っていたのに、お隣の人には全然会わなかった。
だから会ったのは本当に久しぶりだった。