それでも好きだった
前にいた岡田君が急に止まった。
どうしたんだろうと思って前を見ると、どこかの公園だった。
公園と言う公園ではなく広場のようなところでベンチが一つと自動販売機が一つあるだけの場所だった。
彼はそこのベンチに座った。
私も静かに彼の隣に座った。
何も話さない岡田君。
少し緊張する。
今思えば私、部屋着だ。
ちょっと恥ずかしい。
「…何かあったか聞かねぇの?」
「え…?」
小さな声で言った彼はやっぱり私のほうを向かず前を向いていた。
「……」
また黙ってしまった。
私が答えないと話さないつもりなのかな?
「…聞かない。聞かないけど、少しだけ一緒に居てあげる」
可愛くない言い方。
それでも私には精一杯だった。