それでも好きだった
入学式の日
今日はいつもより早めに起きた。
緊張からか、目が覚めてしまった。
新しい制服に着替える。
セーラーからブレザーに変わって、なんか変な感じだ。
髪はストレートのまま。
あまり頑張ろうとは思わない。
化粧にも興味ないし、自然体が一番だ。
似合う人がそういうことをやったほうがいいしね。
鏡で見た自分はなんだか新鮮だった。
リビングに行くとお母さんが、
「あら、似合うじゃない!」
と微笑んだ。
「姉ちゃん、高校生って感じじゃん」
荷物を持って家から出ようとする弟が言った。
感じじゃなくて高校生だっつーの。
いってきまーす!と言いながら出て行った弟。