それでも好きだった
「しかも、まさかの同じ学校だったとはな!」
何故か嬉しそうに言う彼。
私なんか、どうしていいか分からないのに…。
「ってか帰り遅くない?」
「…おばあちゃん家に行ってたから」
「ははっ!おばあちゃん子だな!」
そう言って笑った彼。
何もかも洗い流してくれるような笑顔。
深く考えていた自分がアホらしくなった。
この時間が幸せだと感じてしまう。
親友の彼氏だと忘れてしまいそうになる。
「…そっちは?」
「ん?俺?紗月を送ってから、ダチの家で遊んでた」
なんだ…、ずっと紗月と居たのかと思った。
そう思う私は、紗月にライバル視しているのだろうか。
変なモヤモヤが私の中にあった。