それでも好きだった
過去と授業
今日は朝、紗月の彼氏も一緒に登校するらしい。
駅に着くまで、私と紗月は他愛もない話で盛り上がった。
駅に着くと、彼はすでに待ち合わせ場所にいた。
紗月は飛び乗るようにして彼に抱きついていった。
昨日、彼に会った事は内緒にしていた。
だからか、少し罪悪感が生まれた。
私の前を楽しそうに歩く二人。
正直、私がここにいるのは邪魔だと思うんだよね。
明らかいないほうがいいと思う。
「あのさ…紗月」
「どうしたの?」
「これからはさ…二人で登校したら?」
「え!」
「…その方がいいんじゃない?」
これは私なりの気遣い。
私がいたんじゃ、紗月に気を使わせてしまう。
「でも…華夜が…」
「私は大丈夫だから」
それに、なんとも言えないこの気持ち。
複雑で見てられない。
身近で二人を見たくはなかった。