それでも好きだった
先に行ってると紗月に伝え、私は彼らを置いて学校に向かった。
これは紗月のためでもあるし、自分のためでもある。
なるべく彼に関わらないようにするためには、これが一番。
長いこと一緒に居ると、どんどん好きになっていきそうだった。
それだけはどうしても避けたかった。
私は速めた足をゆっくりにして、周りの景色を見ながら歩いた。
桜が風に揺れて散っている。
なんとも綺麗だった。
学校に行くまでにはまだ時間がある。
少し寄り道をすることにした。
こんなんだからよく、マイペースだとか言われるんだろうな。
川沿いを歩きながらそう思った。
さすがに長いこと居たら危ない。
私は少し早歩きで学校に向かった。