それでも好きだった
「華夜じゃないかい!来てくれてありがとうね」
「久しぶり、おばあちゃん」
電車で行ける距離にいるおばあちゃんだけど、受験で忙しくなかなか会えなかった。
だから、お母さんも気を使ってくれたんだと思う。
おばあちゃんといろんな話をしたり、手伝ったりした。
それから部屋でのんびりしていた。
勉強をしないでいいってなんか変な感じ。
ここ最近ずっと勉強ばっかりだったから、しないのってなんか落ち着かない。
それでも、久しぶりにのんびりできた。
ふと、さっきの人を思い出した。
あの無邪気な笑顔が忘れられない。
少し惹かれていた。
会えないと分かっていても会いたいと思う自分がいる。
私らしくない。
あんな人、会えただけでも奇跡だ。
もう、考えるのはやめよう。
考えたところで無駄な話だ。