それでも好きだった
中庭には大きな木が堂々と真ん中に立っていた。
私はすぐにこの場所が気に入った。
「華夜ってこういう所好きだったよね?」
ニコッと笑った紗月。
どうやら私のためにここで食べようと言ってくれたらしい。
私の事は大体知っている紗月だからこそ分かることだ。
「ありがとう!」
「いいえ!さ、食べよう!」
私たちは近くのベンチに座って食べることにした。
「今度さぁ、食堂に行ってみようよ!」
「いいよ」
「やったー!!」
ホント、紗月は可愛い。
周りにいた男子が紗月を見ている。
視線が痛い。
さすがに長い付き合いだから慣れたけど…。