それでも好きだった








「モテてないから」

「華夜って鈍感だよね!」



紗月には言われたくない言葉だな。


貴方も十分、鈍感だからね。




「告白されたこともないのに?」

「それ、本気で言ってるの!?」



驚いたように大きな声を出して言った紗月は、口をポカーンと空けていた。


私はその大きな声に驚いていた。


本気も何も、されたことがない。





「嘘だ!!中学の時、されてたじゃん!」



だから、されたことないんだって!


されてたら、さすがの私も覚えてるよ。




「私、見たんだからね!」

「…何を?」

「中3の時、2組のイケメン君に告白されてるの!!」

「イケメン君って誰?」




中3?イケメン君?


思い出そうと頭をフル回転。





「ってかそんな人いたっけ?」

「いたよ!あのサッカー部のキャプテンだった中島隼人君!覚えてないの!?」





中島…隼人?








……あ。











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