それでも好きだった
「確かにいたね」
紗月が言うように、イケメンだったと思う。
そんなに顔を見たことがないから、よく分からないけど…。
「誰かは分かったけど、告白された記憶はないけど」
「絶対されてるって!見間違えるはずないもん」
紗月がこんだけ言ってるのなら、されてるのかな?
でも、本当にそんな記憶ないし、話したことだって…。
「もしかして…あれって告白だったの?」
「へ?」
中島君と話したことがあるって言うか、ほとんどは挨拶程度だったけど、一回だけ普通に会話をしたことがあった。
あれは、中3の夏休み。
部活をやっている子達は大会を終え、引退していた時期。
貴重な夏休みに私は担任に呼ばれて、学校に来ていた。
その時に、サッカー部を遊びに行っていたであろう中島君が声をかけてきた。