それでも好きだった
―――――――――――――――――
『木下!』
『はい?』
『なんで学校に?』
『…担任に呼ばれて』
『そっか』
なんで話しかけられたのか分からなかった。
それに、中島君とちゃんと話したのはこの日が初めてだった。
話しかけてきた本人は何故か黙ったまま。
『…用がないなら行くけど?』
『あ、あのさ!』
『ん?』
『…付き合って欲しいんだけど!』
突然、大声を出した中島君。
少し驚きつつも私は頷いて言った。
『いいけど?』
『え?』
『どこに行くの?』
私がそう言うと彼はポカーンとしていた。
その顔には笑えた。
その後、彼はやっぱいいや。と言って帰って行った。
―――――――――――――――――