それでも好きだった
ケチで結構。
こういう話って実は苦手なんだよね。
こんな私に好きな人がいるなんて…。
自分でも不思議。
人って変わるもんだな。
昼ご飯も食べ終えて、午後の授業が始まった。
始まる前に紗月が、
「寝ちゃダメだよ!」
と言っていた。
午後の授業はいつも寝ていたから、注意してくれたんだろう。
だけど、今は春。
私の席は窓側で、ポカポカした日差しが差し込んでくる。
眠らないほうがおかしい。
ふと、グラウンドが騒がしくなってきた。
外を見ると、どこかのクラスが体育をしているようだった。
初日から体育とか羨ましい。
こっちは初日から授業とかやる気がしない。
しかも、先生たちの話がやたらと長い。
暇というか退屈だ。
私も体育したいなー、なんて思ってしまう。
そんなことを考えていると、一人の男の子に目がいった。
よく見てみると、その男の子は岡田君だった。