それでも好きだった
彼の周りにはたくさんの人。
すごくモテるんだろうなって思った。
気持ちが分からないわけじゃない。
実際、私自身も彼に恋心を抱いている一人だからだ。
彼の隣で親しげにしている一人の男の子。
どうやら岡田君は彼と仲がいいらしい。
ここから見ていて分かるくらい、仲がよさそうだった。
岡田君はこっちを向いて手を振ってきた。
誰に手を振ってるんだろう。
私とは限らないし、手を振ってくるわけない。
それでも彼は振り続けていた。
もしかして…私?
私は自分を指差し、私?とアピールしてみた。
そしたら彼はうんうん!と頷いてきた。
そしてまた手を振ってくる。
まさか自分だとは思っていなかった。
私は小さく手を振り返してみた。
彼はニカッと笑った。
その笑顔にドキッとしてしまう自分。
乙女か!と突っ込みたくなる。