それでも好きだった
角を曲がった時に、紗月と岡田君が楽しそうに話しているのが見えた。
「あ!華夜だ!」
紗月はそう言って手を振ってきた。
私も手を振り返した。
「あれ?隣の人誰?」
紗月は北山君を見たことがないらしい。
私も正確に言えば今日、初めて知ったからな…。
「なんだよ、聡かよ」
紗月の隣にいた岡田君が北山君に気付いたみたい。
「なんだよ、とはなんだよ」
「ってかお前、一緒に?」
「会ったから話しかけてみた!」
得意気に言った北山君。
男同士で言い合いをしている。
「あの人、かっこいいね!」
紗月の目がキラキラしていた。
岡田君という彼氏がいながらこの子は…。