それでも好きだった
放課後。
帰る準備をして、靴箱に向かう。
「華夜ー!!」
私の名前を呼んだのは、帰ってるはずの紗月。
「帰ったんじゃなかったの?」
「翔を待ってたの!」
幸せそうな顔。
この顔見るたびに、胸が締め付けられるような感覚になる。
好きなんだって思い知らされるかのように、ズキッと痛む。
「そっか…。じゃあね」
そう言って帰ろうとしたら、腕を掴まれ止められた。
「一緒に帰ろうよ!」
「で…でも二人っきりの方が…」
私がいたら邪魔じゃん。
それに…カップルと一緒に帰りたくはない。
紗月には悪いけど…。
「今日はみんなで帰ろう!」
「みんな?」
紗月の言葉に引っかかる。
みんなってどのみんな?