それでも好きだった
「あ、木下さん!」
振り返ると、こっちに向かって手を振ってくる、北山君と…岡田君。
なるほど…そう言うことね。
「四人で帰ろうよ!」
こうして、なんでか四人で帰ることになってしまった。
私の前を紗月と岡田君が歩き、私の隣には北山君がいた。
「はぁー」
ついついため息が出る。
どうせ帰るって言ったって駅までだし、私は今日、おばあちゃんの家に行く予定だったのに…。
強制的に帰ることになってしまった。
紗月に逆らえない自分もどうかと思うが…。
「もしかして、この後予定でもあった?」
隣にいた北山君が私のため息に気づいたのか、心配してくれた。
「いや…特には」
今日はもう仕方ないか。
また今度でもおばあちゃんのところに行こう。