それでも好きだった
「紗月…」
「えへっ!」
えへっ!じゃないっての!!
どこに行こうとしてんのよ!
「今からカラオケに行くの!」
…ありえない。
私はその場に立ち止まった。
「?どうしたの華夜?」
「…帰る」
そう言って帰ろうとしたら、やっぱり止められた。
「そう言うと思ったから、黙ってたのにー!!」
そういうことだったのか。
私はカラオケとかゲーセンとかが苦手で、滅多に行かない。
好んでも行こうとは思わない。
それを知ってる紗月は、私がなんて言うか分かっていたらしい。
だから、黙ってたのか…。
「いいじゃん!行こうよ、華夜ちゃん」
「…“華夜ちゃん”?」
何故か反応したのは、岡田君だった。