それでも好きだった
今日の彼はいつもと様子が違った。
急に変なことを言い出すし、一体どうしたんだろうか。
別に名前ぐらい呼んであげてもいいんだけど…恥ずかしい。
私は頷いて“いいよ”のサインを送った。
彼は嬉しそうに笑っていた。
たまに思う。
彼は一体、何を考えているのか。
彼の一つ一つの行動、言動が分からない時がある。
不思議でならない。
「じゃあな」
彼はそう言って帰ってしまった。
どんどん小さくなる彼の背中を静かに見ていた。
貴方は何を考えているの?
本当に分からない。
私も私で何をやってるの。
彼は親友の彼氏。
絶対に忘れてはならないこと。
“翔君”心の中で小さく呼んでみる。
この名前を呼ぶ日は来るだろうか。
もどかしいこの気持ち。
一体どうしたらいいの…。