それでも好きだった
四人で帰ったあの日以来、私の気持ちなんて知らないで、紗月は四人で遊ぼうだとかよく言ってくる。
正直言って辛い。
幸せそうな二人を見ていると、すごく複雑になる。
親友の付き合いを応援したい反面、好きな人だから余計辛くなる。
何度も決心をしてきた。
だけど、どうしても揺らいでしまう自分がいて、うまくセーブが出来ないときもある。
言ってしまえば楽なのに、弱い自分に勝てない。
だから紗月の誘いも断ることが出来ない。
無力な私。
「遊園地、楽しみだね!」
嬉しそうに言った紗月。
「そうだね」
どうやったら、彼を諦めることができるのだろう。
ここ最近、そんなことばかり考えてしまう。
誰か教えて欲しい。
諦めるきっかけを…。
嫌いになるきっかけを…。