それでも好きだった









「今から帰んの?」

「うん。そっちは?」

「俺も帰り!」




笑顔のたえない人だな。


初対面とは思えないくらい普通に接してくれるし…。





「なんか、ペラペラとごめんな」

「へ?」

「軽いとか思ってる?」

「…全く思ってないけど」




確かに、ペラペラとしゃべっているかもしれないけど、自分的には嬉しい。


こんな私に対しても普通に話してくれるんだから…。






「そっか!俺、よく軽いとか言われるからさー。こう見えても結構、純粋なんだわ」



そう言った彼が面白くてつい笑ってしまった。






「あははっ!純粋っておもしろっ!」

「……」





そんな私を黙って見ていた彼。



ちょっと笑いすぎたか。












< 8 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop