それでも好きだった
「俺が居るし大丈夫でしょ!」
自信満々に言った聡君は私の肩をポンポンと叩いた。
それは心強いと呑気に思っていた次の瞬間、横からお化けが勢いよく出てきた。
「キャー!!」
紗月の叫ぶ声。
少し光が出てきて、みんなの姿がよく見えるようになった。
紗月はギュッと岡田君に抱きついていた。
「ラブラブだねー。お二人さん!」
二人を煽るように聡君は言う。
私はただただ、その二人の姿を見てることしか出来なかった。
二人は付き合ってるんだから、こんな光景普通のはずなのに…。
彼が好きな私には辛すぎる光景だった。
紗月は少し落ち着きを戻し、先に進むことにした。