それでも好きだった









そんな岡田君の姿に、紗月と聡君は珍しいものを見るかのように彼を見ていた。




「あいつがあんなふうに笑ってるのめずらしいな」

「私なんか見たことないよ!」





…そうなの?


私はこれが普通なんだと思っていたのに…。




まぁ、私のアホさに笑っているだけだと思うけどね。










いまだに笑っている彼。



お化け屋敷で笑ってる人もそういないと思う。




ってかいい加減、恥ずかしくなってきた。








「もういつまで笑ってるの!」



紗月が岡田君の肩をバシバシ叩く。




「いやー面白かった!」




きっと私の顔は赤いだろう。





周りが薄暗くてよかった。



私がどんな顔をしてるかなんて誰もわからない。





私は誰にもバレないように小さく笑った。














< 87 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop