それでも好きだった
そんな岡田君の姿に、紗月と聡君は珍しいものを見るかのように彼を見ていた。
「あいつがあんなふうに笑ってるのめずらしいな」
「私なんか見たことないよ!」
…そうなの?
私はこれが普通なんだと思っていたのに…。
まぁ、私のアホさに笑っているだけだと思うけどね。
いまだに笑っている彼。
お化け屋敷で笑ってる人もそういないと思う。
ってかいい加減、恥ずかしくなってきた。
「もういつまで笑ってるの!」
紗月が岡田君の肩をバシバシ叩く。
「いやー面白かった!」
きっと私の顔は赤いだろう。
周りが薄暗くてよかった。
私がどんな顔をしてるかなんて誰もわからない。
私は誰にもバレないように小さく笑った。