愛しいキミへ
「お邪魔しまーす。」
靴を脱いで、近くにあったスリッパを入った。
フアァーアー
奥からあくびが聞こえた。
「なんだ。いるんじゃない。」
「ん?これは、これは。都城さまでは、ありませんか。」
「おはようございます、お坊ちゃま。」
「おはようございます。」
「今朝は遅いご起床だったんですね。私のノックにも気付かずに…」
「申し訳ありませんでした。それで、ご用件は??」
親しそうに話す、椎凪と男。
何かムカつく。
「転校生の橘 隼斗。ここの部屋だから、宜しくね。」
「おっ!宜しくな♪一人で寂しかったんだよ。」
「宜しく。」
いきなり二人の話し方が変わった。
とにかく…ちょっと不機嫌だったから、ちょっと無愛想だった…かも。
まっ、いっか。
「俺、柊 慎(ヒイラギ シン)。慎でいいから♪隼斗…でいい?」
「うん。慎、これから宜しく ニコッ」
椎凪とどんな関係か知らないけど、コイツには負けねえし!!
「あっ!私さあ。一回寮戻って、遥連れてくるわっ!!」
「おう!頼んだっ!」
椎凪はそれから、部屋を出た。