愛しいキミへ
って、また隼人のこと考えて……
朝も勇気出して、話したけど。
目なんか、まともに見れなかったし……
「椎、タイマー測ってくれないか?」
「うん、いいよ。」
昴先輩からタイマーを受け取って、コートの脇に座る。
「香織ー」
「はーい、何ー?」
「審判、頼んでいいか?」
「良いわよ。」
昴先輩は、奥で選手のマッサージをしてた香織先輩を呼んで頼んだ。
昴先輩と香織先輩は、恋人同士。
全校生徒が認める公認のカップルで、誰もが憧れてる。
学年対抗で、試合を行う。
まずは、3年 vs 2年
――ピーッ
試合開始……
やっぱり強い。
3年は……
「椎。何か悩みごと?」
審判をやりながら、私を気にかけくれた香織先輩。
後輩思いで、皆から便りにされてる。
もちろん私も、憧れてる。
こんな先輩になりたいな、って。
「大丈夫ですっ。」
「本当に~?元気ないみたいだけど…」
「香織先輩は、審判でしょ?ちゃんと見てなきゃっ」
「はい、はいっ。分かってますよー」
先輩は私から離れて、また審判の仕事に戻った。
けど、引き返してきた。
「ん?」
「あのさ…、椎にはもう関係ないとは思うんだけど……。」
「うん。」
「渚が退学したの、知ってる?」
「え、……」
今、退学って……
もう、この学校にはいないって事??
何で、急に……