愛しいキミへ
「な、渚が…、退学……。」
「うん、私も驚いてさ…。今朝、昴から聞いたんだ。」
「そうなん、だ…。」
渚が退学って……
私のせい?
私の事件が、関係してるの?
頭がパニックになる。
その時………、
「香織っ!仕事、投げ出すなよっっ」
昴先輩の声が、体育館に響く。
香織先輩はヤバイと言った表情で、コートの方へ走っていった。
――ピーッ……
タイマーを測っていた私が、笛を吹いた。
コート内の動きが止まり、中央に集まって挨拶を交わす。
― 25 対 18 ―
3年の勝利。
渚が居れば、互角だっただろうけど……
渚の居ない2年は、やっぱり3年に勝てなかった。
「次の試合は、2年と1年。10分、休憩挟んだら始めるぞっ」
「「「はいっ!」」」
休憩中。
私は、香織先輩のもとへ向かった。
「審判の仕事放り出して、何やってんだよ。」
「すみません。」
「次の試合の審判も頼むから、今度はしっかりやれよ?」
「はい…。」
昴先輩からのお説教。
彼女だろうと関係なしに、本気で怒る先輩。
いつでもバスケに本気だからこそ、つい熱くなってしまう。