愛しいキミへ
「香織先輩、ごめんなさい。」
昴先輩と離れて、一人になった先輩。
昴先輩に怒られたのは、私に渚のことを教えてくれたからだもんね。
「何で、椎が謝んのよ。」
「だって、渚のことを私に教えてくれたから。昴先輩に怒られちゃって…」
「あぁ…、その事か…。別に椎が悪いわけじゃないのよ?私が勝手に喋っただけだから。」
「そんな……」
「本当に、責任なんて感じないでよ?逆に私の方こそ、勝手にベラベラと話して…。じゃ、次の試合の準備してくるから。」
忙しそうに走っていった先輩。
もうすぐ、試合が始まるのか。
2年と1年。
渚の居ない2年と、隼人の居る1年。
普通に考えたら2年の方が強いんだろうけど…
まだ、隼人の実力が分からない。
「椎?」
後ろから聞こえる声。
2年と1年は、コートの中。
てことは3年?
後ろを振り返ると、居たのは……副部長。
要先輩…?
「要先輩、どうしたの?」
「いや…、お前が元気ないなって思ってさ。」
「心配してくれたんだ。優しいねっ♪」
「ばーか、/////」
要先輩、顔が赤い。
何で~?
不思議に思ってたら、試合開始の笛が鳴った。
隼人が出るのを思い出し、コートの方へ目を向けた。