愛しいキミへ
そこには、
ドリブルをしながら颯爽と走る隼人の姿があった。
そして、相手のディフェンスをすり抜け、そのままシュートを決めた。
そのシュートは、凄くキレイで……
「カッコイイ……////」
思わず、口からこぼれてしまう。
今まで見たことのない隼人の姿に、驚いた。
それから、隼人と慎でみるみるシュートを決めていき、最後には3ポイントシュートを決めた隼人。
結果は…、
―13対20―
2年が1年に負けた。
先輩は、凄く悔しがっていると思う。
「負けたな……」
私の後ろで、小さく呟いた要先輩。
「やっぱり、渚あっての二年か…。」
「……。」
「ああー、悪いっ。余計なこと言った。」
「ううん、気にしてないから。」
私に、気を使ってるんだよね。
渚のことを話さないように……
「ごめんなさい、心配かけて。知ってるんでしょ?渚の退学の件。」
「あ、ああ…。校内で大騒ぎだったからな。渚がいきなり退学だ、なんて。」
「そうなんだ。」
どうして、退学なんて…
私の事件が関係してるとしか、思えない……
それにしても、どうして知れたんだろう。
あの時間は授業中だったから、先生も生徒もいなかったはずなのに。